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広報誌Web版『脳出血について』

皆さんこんにちは。金木犀の匂いが漂う季節になりました。朝晩も冷え込みますね。これから少しずつ寒さが本格化し、布団から出たり、外出するのが億劫になってきます。生活のリズムが乱れないようにしましょう。今回は、『脳出血について』について紹介していきます。

はじめに

脳出血とは

  • 脳実質内の出血のこと
  • 脳内血腫の圧迫による局所神経症状および頭蓋内圧亢進症状を示す
  • 原因としては高血圧が大部分を占める
  • 大きさによって様々な程度の頭痛、意識障害、脳局所症状(巣症状)がみられる

脳卒中

 

脳出血の出血部位と割合

  • 被殻出血(40%)
  • 視床出血(30%)
  • 脳幹出血(橋出血)(10%)
  • 小脳出血(10%)
  • 皮質出血(10%)

 

脳出血とは|東京銀座の脳梗塞・脊髄損傷クリニック

 

被殻出血(40%)

  1. 被殻を中心とした大脳基底核に血腫の主座があるもの
  2. 原因は高血圧
  3. 賞状は運動麻痺、失語、意識障害

視床出血(30%)

  1. 血腫の主座が視床にある出血
  2. 原因は高血圧
  3. 症状は突然の頭痛、意識障害、片麻痺、感覚障害

脳幹出血(10%)

  1. 脳幹と呼ばれる部位に出血するもの
  2. 主な原因は高血圧
  3. 出血した部位の脳機能に関わる症状が出現
    例えば、眼球運動障害、顔面の麻痺、片側の難聴、嚥下困難、手足の運動麻痺、感覚障害など

小脳出血(10%)

  1. 小脳に出血したもの
  2. 原因は高血圧
  3. 症状は突然の後頭部痛、回転性めまい、反復する嘔吐、立位・歩行障害、運動失調、眼球運動の以上など

皮質下出血(10%)

  1. 大脳の表面を覆っている部分を皮質と呼び、この皮質の近傍からの出血を指す
  2. 原因の多くは高血圧と直接関係ないもの高齢者に好発
  3. 症状は突然の頭痛、てんかん発作等

 

脳出血の原因となる高血圧症

  • 高血圧症とは、普段の血圧が基準となる数値より高い状態
  • 血圧には、診察室血圧と家庭血圧があります。診察室血圧とは、病院の環境のストレスによる、血圧上昇を考慮した数値です。
  • 家庭血圧と診察室血圧に差がある場合は、家庭血圧が優先されます。

高血圧の基準となる数値

診察室血圧
収縮期血圧/拡張期血圧
140以上かつ/または90以上

家庭血圧
収縮期血圧/拡張期血圧
135以上かつ/または85以上

高血圧症の原因

原因がはっきりしない高血圧と何らかの病気が原因となる高血圧がある

原因がはっきりしない高血圧は生活習慣や遺伝が原因と考えており、具体的な原因は以下の通り

  • 過剰な塩分摂取
  • 食生活の乱れ
  • 肥満
  • 運動不足
  • 飲酒・喫煙
  • 精神的ストレス
  • 加齢

高血圧症の症状

初期症状と動脈硬化が進んだときの症状
高血圧は自覚できる初期症状がほとんどなく、気づかないうちに脳や心臓、腎臓などの動脈硬化が進行する。
動脈硬化が進行すると以下のような症状が現れる。

  • 早朝に頭痛が起きる
  • 夜の排尿回数が多くなる
  • 息苦しさが現れる
  • 足の冷えが感じる
  • めまいやふらつきが起きる

※これらの症状は臓器が傷み始めているということです。早期に受診を検討してください

高血圧症を放置すると起こりうるリスク

  • 脳卒中
  • 心不全
  • 心筋梗塞
  • 大動脈瘤
  • 腎不全

※以上の病気を生命に危険が及ぶ可能性があります。これらを引き起こさないためにも、早期に高血圧の治療を始めることが大切です

血圧を下げるための6つの対策

非薬物療法

合併症のリスクが高くない場合は、まず以下のような生活習慣の改善による非薬物療法を実施します。

  1. 減塩を心掛ける
  2. バランスの良い食事を摂る
  3. 肥満の改善・予防する
  4. 運動習慣を身につける
  5. 禁煙と節酒をする
  6. 規則正しい生活をする

※これらは医師や看護師の指導と評価が大切です。定期的に受診をしながら、治療を進めましょう。

1.減塩を心掛ける

日々の減塩は高血圧の改善に重要です。塩分を取りすぎると喉が渇きやすくなり、水分をたくさん飲んで血液量が増え、血圧が高くなるためです。麺類や加工食品、外食は控えて食塩の摂取量を1日6g未満にしましょう。

2.バランスの良い食事を摂る

食事は野菜や果物をバランスよく食べることが大切です。野菜や果物に多く含まれるカリウムは、血圧を下げる効果が期待できます。また、血中のコレステロールが多くなると血圧を高める原因になります。肉類や加工食品、菓子などの過度な摂取は控えましょう。

3.肥満の改善・予防する

肥満と高血圧は明らかに関係するとされています。BMI(体格指数)が25以上(BMI20を基準とする)であると、約2倍も高血圧の発症リスクが高まると言われています。食生活の修正や運動を実施して、BMI25未満を目指しましょう。

4.運動習慣を身につける

適切な運動習慣は血圧の低下のみならず、その他の高血圧の原因となる体重や体脂肪、コレステロール値などの改善が期待できます。

5.禁煙と節酒をする

高血圧の改善において喫煙と節酒を心がけるのは大切です。アルコールは摂取後、数時間は血圧低下につながりますが、長期間の飲酒は血圧を上昇させます。アルコール量は男性で20〜30ml/日以下(日本酒で1合、ビールで中瓶1本)、女性で10〜20ml/日以下を心がけましょう。
喫煙は一本タバコを吸うと、血圧の上昇が15分以上続きます。また、受動喫煙を避けることも大切です。

6.規則正しい生活をする

睡眠不足やストレスも高血圧の発症に関連します。十分な睡眠とリフレッシュ期間を設けて、睡眠不足の改善とストレスコントロールを心がけましょう。
寒さも血圧を高める原因です。寒い時期は特に浴室や脱衣所、トイレなどは寒冷差があるため、防寒対策を十分に実施しましょう。

 

 

おわりに

今回の、脳出血についてのお話はいかがでしたでしょうか?

脳出血の主な原因である高血圧を予防し、脳出血にならない生活を心掛けましょう。

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