みなさん、こんにちは。早いものでもう師走です。朝晩はとても冷え込み、日中でとても寒くなりましたね。体調は崩されていませんか?インフルエンザや新型コロナウイルスの感染が流行っていますので、自分で出来る対策をしっかりと行いましょう。今回は、放射線技師による『 放射線を用いた検査 』について紹介していきます。
まず、病院で行われる検査についてですが、皆さんが体調を崩して病院に行く、あるいは健康診断を受けるとき、どのような検査を受けるでしょうか?おもに下の左図が挙げられると思います。このうち、放射線技師が関わる検査は、下の右図になります。
病院で行われる検査 | 放射線技師が関わる検査 |
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このような検査は様々な方法で行われますが、放射線技師は画像診断を行うための検査をして、病気・けがを見つけます。
画像診断を行うための検査には下の図の検査があります。それぞれに検査について詳しく説明します。
病院で行われる検査 |
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南大牟田病院 一般撮影検査室
一般撮影検査:よくレントゲン撮影とかX線撮影とか呼ばれている検査のことです。X線を使って体内の様子を調べます。胸部や腹部、骨など全身が対象です。
CT検査:コンピュータ断面撮影検査のことです。身体の様々な方向からX線をあてることで、輪切りの画像を撮影します。一般のレントゲンではわからない詳細な情報を得ることができます。
透視検査:X線を連続的に発生させ、その透視像をTV装置で観察することで、リアルタイムに体内を観察できる検査です。バリウムなどの造影剤を使用することもあります。主に嚥下造影、子宮卵管造影、胃バリウム造影などがあり、骨折や脱臼の整形整復等にも使用されます。
核医学検査:ごく微量の放射線(ガンマ線)を出す放射性医学品という薬を体内に投与し、そのくすりの動きを体の外から撮影して画像にする検査です。骨シンチ、心筋シンチ、PET(ペット)検査などがあります。
MRI検査:Magnetic Resonance Imaging の略語で磁気共鳴画像検査といいます。磁器と電波を利用して画像を撮影します。X線を使用しないので被ばくしません。
超音波検査:エコー検査とも言えます。人の耳に聞こえないくらい高い周波数の音(超音波)を体の表面から当て、体内の臓器や組織を境目などから反射してくる音を画像として表示する検査です。腹部、乳腺、頸動脈、心臓などを診ます。放射線ではないため被ばくはなく、体に害はありません。
では、南大牟田病院・南大牟田クリニックではどの放射線を用いた検査が行われているでしょうか。
南大牟田病院では一般撮影検査とCT検査・南大牟田クリニックでは一般撮影検査が行われています。
南大牟田病院 CT検査 |
南大牟田クリニック 一般検査室 |
南大牟田病院・南大牟田クリニックの一般撮影室では、循環器科や内科の医師からの依頼を受け、胸部レントゲン、腹部レントゲン。整形外科や外科の医師からは、腰椎、膝などのレントゲン撮影がされています。
次に南大牟田病院のCT検査室では、頭部、胸部、腹部、四肢と体全体いたるところの撮影を行います。
頭部CT:頭部打撲・頭痛・めまい・意識消失などの症状がある患者さんを検査します。頭部打撲による出血の有無、その他症状の原因となりうる出血や脳梗塞を発見できます。
胸部CT:咳・痰・胸の痛みなどの症状がある、または胸部レントゲンで異常が指摘された場合、検査します。この検査では、肺炎や肺がんなどの肺の病気や心臓の病気を発見できます。
腹部CT:腹痛や下血の症状があった場合や、腹部エコー検査や採血で異常が指摘された場合、検査します。この検査には単純CT撮影と造影剤を使う造影CT撮影があり、造影CTはより明らかに病気を判定できます。腹部臓器ののう胞やがんの診断に役立っています。腹部のエコーや採血だけでは判定できない病気の発見にCTは有効です。
放射線と聞くと、原発事故や被ばくをイメージし、怖いと思う人がいるかもしれませんが、放射線を用いた検査によって、見た目にはわからない骨折や、内蔵、脳内の疾患が見つかることがあります。放射線技師は、病気を見つけるために最適な線量を選択し、被ばくを極力少なくするように心がけて検査に当たっています。そして、被ばく以上に体の有益な情報を得ることができます。