みなさんこんにちは。逃げる二月とは言いますが、本当にあっという間に二月が過ぎていったような気がします。今、世間は新型コロナウィルスの影響で、多くの催し物が延期または中止となっています。楽しみは少なくなってしまったかもしれませんが、家族や大切な人と時間を共有する機会が増えたと考えれば、少しは気持ちが上向きになるのではないでしょうか。まだまだ寒さは続きます。引き続きマスクの着用や、うがい手洗いを行い体調管理をしていきましょう。
過日、「終活について」のお話がありましたのでご紹介します。
自らの人生の終わりに向けた活動の略語である『終活』。言葉としても活動としても、この『終活』は私たちの生活にずいぶんと浸透しています。みなさんは、もしもの時に備えたお墓やお金、葬儀について大切な人と話し合いをする『人生会議』や、『エンディングノート』などの取り組みをしていますか?
今回は、誰しも訪れる人生の最後の迎え方についてしっかりと考える内容になっています。少しでも多くの方にとって今後の生き方のヒントになれば幸いです。どうぞご覧ください。
今回の講師は、南大牟田病院で看護部長を勤める森川さんです。森川さんは4月の健康教室に続いて2回目となります。ご自分の体験を踏まえながら、終活の大切さを丁寧にわかりやすく紹介してくださいました。
この問いかけを参加者の方に投げかけてみたところ、「別にそこまで話したことがない」という回答される方がほとんどでした。人生会議には決まった議題はありません。大切にしたいこと、してほしくないことなど簡単なことから話してみてください。
もしもの時に備えて、自分の気持ちを周りの人へ伝えることはとても大事なことです。自分の気持ちや、価値観を共有してもらえることはその人にとって大きな助けになります。『人生会議』とは、人生の最終段階に向けて、準備することを通し自分の人生をより良いものにするための活動なのです。
人生会議をするメリットは以下の2つです
●あなたの考えや好みが、医療ケアにおいても尊重される。
(例) どんな医療ケアを受けたいのか
どこでケアを受けたいのか など
●もしもの時には、あなたの考えを想像しながら話し合いをしてくれる。
家族など、あなたが信頼している方々があなたの気持ちや価値観に触れられる機会になる
病状などにより、あなたの考えや気持ちを周りに伝えられなくなったとき、「あなたならきっとこう考えるだろう」とあなたの価値観や考え方を理解し寄り添ってくれる人が近くにいるととても心強いですよね。それは家族かもしれないし、兄弟・姉妹または、信頼できる友人かもしれません。あなたの気持ちや価値観をよくわかっている人はどなたですか?
※ともに人生会議をする人は一人である必要はありません。
夫婦と子供で話し合うなど、複数になることもあります。
先程もお伝えした通り、人生会議に決まった議題はありません。人生会議の目的は、かけがえのない人生を豊かにすることです。話しをしているうちに、自分でも気づかなかった気持ちに気づかされることも多いものです。
話し合っていなければもしもの時、「本人がどうしたかったのか」「本当にこれでよかったのかわからない」と気持ちの負担がおおきくなってしまいます。お互いの気持ちの負担を減らすためにも、まずは身近なことから話し合ってみてはいかがでしょうか。
近年、高齢者の緊急搬送は全搬送者数の5割を超えており、そのほとんどが自らの意思を表明できない状態で救急搬送されています。高齢者の救急搬送では、ご本人やご家族の延命措置を望んでいるかはっきりしない場合があります。救急搬送は【救命】を目的としているので、結果としてご本人が望まない延命措置につながることも少なくありません。病院側が積極的な延命措置をした結果、ご家族が「本当にこれでよかったのか」「こんなはずじゃなかった」と、後悔したり悩んだりすることが多いそうです。
思いがけない事故や病気の進行により、どなたでも「もしもの時」が突然訪れる可能性があります。事前指示書やエンディングノートは、大変良い取り組みですが、肝心な時にエンディングノートが見つからない、もしくは見ることができる環境にない場合、その人の気持ちを推定することができなくなってしまいます。
そのような状況を回避する為にも、日頃からどのような最期を迎えたいのか、どんな治療を受けたいのかなどあなた気持ちを信頼できるご家族やご友人、そして身近な医療ケアチームに伝えましょう。話し合いを共有しておくと、より希望が叶えられやすくなります。これが、人生会議をお勧めする理由です。
※今回森川さんが、参加者の皆さん用に準備した『もしもノート』です。
大切にしていることは何か、信頼できる人はだれか、伝えたいことは何か、
など色々なことが書き込めるようになっています。
人生会議は何度も何度も話し合って構いません。なぜなら、気持ちは揺れ動くものだからです。話し合いを重ね、繰り返すプロセスがとても重要です。一度決めたことだからと思わずに、自身の心の変化に気づいたときは積極的にその時の気持ちを信頼できる方たちと共有しましょう。
◆急変時にはこのような治療行為が行われます。
◆食事が口から入らない、喉がむせて食事が喉を通らなくなったときはこのような医療行為が行われます
人生の終わり方について話すことは、だれしも避けがちではありますが、もしもの時のことを考え信頼できる人と気持ちを共有することは自分らしく生き抜くことにつながると感じました。ぜひみなさん、このてまりを機に一度信頼できる人と家族会議を行ってみてはいかがでしょうか。
人生会議は元気な時・心に余裕があるときに!
大牟田の医療・介護施設情報を掲載しています。どなたでも好きな写真を投稿できるギャラリーを製作いたしましたのでご紹介いたします。次号は「骨粗鬆症について」をご紹介します。