みなさん、こんにちは。早いものでもう師走です。今年は暖かい日が続いたため、紅葉は少し遅れて今が見ごろのようで、紅葉を楽しむ人の姿を多く見かけます。紅葉を楽しむ為にも、お出かけの際はマスクをしたり、家に帰った後はしっかりと手洗い・うがいをするなど風邪対策を行い、体調を崩さないよう気を付けてください。
過日、『薬の副作用について-Ⅱ』のお話がありましたのでご案内いたします。
◎地域交流施設で、健康推進教室が行われました。
今回の健康教室は、薬の中でも『睡眠薬』に焦点を当てた内容となっています。みなさんは、睡眠薬についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?睡眠の悩みを持つ人にとっては薬として良い一面を持っていますが、使い方によっては犯罪に使用される恐ろしい一面も持ち合わせています。安全に、且つ、上手に『睡眠薬』と付き合あっていくための手がかりとなる内容となっていますのでどうぞご覧下さい。
5月の健康教室に引き続き、南大牟田病院に勤務している薬剤師の古賀さんに、薬の副作用のお話をしていただきました。
簡単に前回5月の【薬の副作用について-Ⅰ】のおさらいをします。
※ 詳しくは【てまり 令和元年 第6号 薬の副作用について-Ⅰ】をご覧ください
http://www.zaidan-omtiryo.jp/wp-content/uploads/2019/06/temari.201906.pdf
眠れなかったり、睡眠中に目が醒めてしまうのではないかといった心配や不安から、睡眠薬を処方してもらう方が多いようです。睡眠薬、抗不安薬、睡眠導入剤などいろいろな名称で呼ばれますが、これらの薬のほとんどは人間の体内にある『ベンゾジアゼピン受容体』という部位に働きかけるもので、基本的な効き方は同じです。
睡眠薬は作用するメカニズムにおいて2種類に分けられます。
現在、睡眠薬として主に使われている、ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系は脳の機能を低下させることで催眠作用をもたらしますが、効果を考えていくためには作用時間が重要になります。
睡眠薬は作用時間によって、大きく4つのタイプに分けられています。
この3つの効果のバランスと薬の効いている時間、患者さんと薬の相性によって、医師は複数の薬を使い分けています。ただし、どの薬も基本的に同じ作用なので、量を多くしても一定以上の効果は得られません。
「せん妄」、「離脱症状」って?
「せん妄」とは、高齢者によくみられる注意力の低下や、時間・場所・人に対する認識が低下する意識障害のことです。突然発症し数時間~数週間症状が継続します。
「離脱症状」とは、飲んでいる薬を中止したときに生じる不快な症状のことです。もともとの症状と非常に似ている為、離脱症状だと気が付きにくいこともあります。
薬の量が多くなると効果は頭打ちになり、副作用が目立ちやすくなります。薬の量を減らしたり、やめることでかえってすっきりして楽になることもあります。
大事なのは「やめていこう」という気持ちを固めることが大切です。安全に止めていくことができるように、まず自分は薬をやめても良い状態にあるのかを医師に確認しましょう。
自己判断で、急に薬をやめると「離脱症状」を生じることがある為注意が必要です。医師の指示のもと、ゆっくりと時間をかけて減らすことが大切で、数か月~年単位で減らすことを考えると良いでしょう。
良い睡眠をとれるようになるためには、生活習慣もとても大切です。薬以外の役立つ対処法を活用しましょう。
◆生活リズムを整える
眠った時間に関わらず、毎日同じ時間に起きましょう!
太陽の光を浴びると体のスイッチが入ります。適度な運動もお勧めです!
昼寝は30分以内!
午後3時以降の昼寝はやめましょう。
眠くなってから布団に入りましょう。睡眠時間には個人差があります。
◆リラックスのコツを身に付ける
※ 詳しくは【てまり 令和元年 第11号ぐっすり眠る為には】もご覧ください
http://www.zaidan-omtiryo.jp/wp-content/uploads/2019/11/a21aea0d2865bc2b1b91cab07310b5b2.pdf
睡眠薬を減らした方がよさそうだと思っても、なかなか減らせないことがあります。時には、うつ病や不安障害などの病気が隠れている場合もあります。これらを適切に診断し、抗うつ薬などの薬物療法や心理療法を適切に組み合わせることで治療が進み、睡眠薬の適切な使用につながることがあります。
睡眠薬は、睡眠習慣の見直しも意識しながら使っていくことが大切です。睡眠薬を使うべき時はしっかり使い、よくなったら少しずつ自然な眠りを取り戻せるよう、依存することなく不眠の改善を行っていきましょう。
参考文献
◆【精神科医が解説】睡眠薬(睡眠導入剤)の効果と副作用
◆【睡眠薬や抗不安薬を飲んでいる方にご注意いただきたいこと】
東京女子医科大学病院 医療品安全管理委員会
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