みなさん、こんにちは。今年も残すところあと2か月となりました。だいぶ日照時間が短くな りましたね。身を刺すような冷たい風を受けると、いよいよ冬の訪れを感じます。この時期は急 な温度の変化から体調を崩しやすくなりますので、体を冷やさないように一枚羽織るものを持ち 歩くなど、日ごろの体温管理にお気を付け下さい。
過日、『ぐっすり眠る為には』のお話がありましたのでご案内いたします。
◎地域交流施設で、健康推進教室が行われました。
毎日ぐっすり眠れていますか?しっかり休んでも疲れが取れない、なかなか寝付 けないなど、日々の睡眠に関する悩みをお持ちの方は少なくありません。最近では、 睡眠の専門治療や相談を希望される方が増えてきているようです。
今回は、私たちの生活に欠かせない睡眠のお話と、睡眠に効果的なツボの説明が ありましたのでご紹介します。
今回は、南大牟田病院で看護師を務める牧野さんに睡眠のお話をしていただきました。
牧野さんは、色々な部署の方とコミュニケーションを取り、看護部の中心として、日々現場で活躍をされています。気さくで、明るい牧野さんは看護部の頼れる存在の一人です。
地球上に住む多くの生き物は、昼は活動的に、夜は休息するというシステムが存在し、約24時間周期の体内リズムを持っています。
人の体温や血圧、脈拍、各種ホルモンの分泌にも約24時間のリズムがあり、免疫や代謝までもが体内リズムの影響を受けており、体内リズムは私たちの生活に欠かせない大切な軸になっていることがわかります。
私たちの体内時計の時刻合わせをする機能で最も影響の大きな因子は『光』です。朝起きて太陽の光が眼に入り、その刺激で体内時計はリセットされ24時間が始まります。逆に、変な時間に強い光を浴びると体内時計が乱れ眠れなくなったりします。
なかなか寝付けなかったり、起きれない方はいませんか?その原因は体内リズムの乱れが原因かもしれません。睡眠は就寝時に分泌されるメラトニンと、起床時に分泌されるオレキシンというホルモンでリズムを形成しています。昼夜の明暗の刺激が正しいサイクルで行われず体内時計にずれが生じると、メラトニンの分泌が乱れ眠れない・起きるのがつらいといった問題が発生します。
これらの問題を解決するためには、睡眠と起床リズムを整え体内時計をリセットする環境作りを心がけることが大切です。みなさん、『寝だめ』していませんか?時間がある時についつい寝だめをしてしまう方も多いのではないのでしょうか。しかし、この寝だめも体内のリズムの乱れを引き起こすことがわかり、平日の疲れを癒すためには好ましくありません。
快眠を導くための 5 つのポイントを紹介します。できることから実践し、快眠を実感してください!
『睡眠障害』という言葉をきくと不眠症を考えがちですが、それ以外にも様々な病気があり、最近では多くの人が睡眠の問題を抱えていることがわかってきました。代表的な症状である不眠の原因は、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気からくるもの、薬によって引き起こされるものなど多岐にわたります。
さらに、睡眠障害には不眠だけではなく、昼間眠くて仕方ないという状態や、睡眠中に起きてくる病的な行動、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態などがみられます。つまり、『睡眠障害』とは睡眠に関係する広い範囲を含む様々な病気の総称なのです。
睡眠障害によって、日常生活や社会生活に支障が出てくることがあります。日中の眠気のだるさや、集中力の低下などが引き起こされると、極端な場合事故につながりかねません。
また、睡眠不足や睡眠障害が長時間持続すると、生活習慣病やうつ病などになりやすくなります。こうしたことから、睡眠障害に適切に対処することが重要だと考えられます。
睡眠障害のサインは大きく分けて4つあります。ご自身や、身の回りの方にこのようなサインは見られませんか?心当たりのある方は、一度専門医にきちんと診断してもらいましょう。
睡眠障害にならないために、また、睡眠障害が深刻化しないために『睡眠障害の対処12の指針』をご紹介します。
まずは簡単にできる快眠するためのツボの紹介です!皆さん試してみてください
◆内関(ないかん)
内関は両手首の近くにあるツボです。自律神経のバランスを整えて穏やかな気分にさせてくれます。内関のツボは、手首を曲げた時にできる一番太い小じわの中央から、肘に向かって親指2本分移動したところにあるくぼみです。押すとピリピリとした刺激を感じるので、親指で優しく垂直に押しましょう。
◆百会(ひゃくえ)
百会は、頭頂部の近くにあるツボです。全身の気を補い、ストレスやイライラした気分を解消してくれます。百会は両耳をつなぐ直線と眉間の中心線が交わるところにあります。いわゆる頭のてっぺんである頭頂部よりは、前のほうにあるので注意してくださいね。気持ち良さを感じる程度の強さで、小さい円を描くように刺激してみましょう。
◆労宮(ろうきゅう)
場所は手を軽く握った時、人差し指と中指の先端の中間あたりで、精神に働きかける作用があります。手のひらに『の』の字を書いてのみ込むとリラックスのためのおまじないも、労宮を刺激して心を静める動作といえます。
◆失眠(しつみん)
かかとの中央にあり、不眠緩和の代表的なツボです。かかとを湯たんぽにのせて軽く温めるだけでもツボへの刺激となり、効果が期待できます。
◆丹田(たんでん)
寝つきが悪いのは、交感神経が活発に働いているからです。そんな時は興奮した気持ちを『丹田』に下すことで心と体が落ち着いてきます。あぐらをかき、おへその下 3~5 ㎝あたりに両掌を重ね『丹田』の上に置き、リラックスします。その後、目を閉じて『丹田』に精神を集中させゆっくりと呼吸しましょう。
◆完骨(かんこつ)
耳たぶのくぼみの延長線上、髪の毛の生え際の出っ張った骨の斜め後ろにあるツボです。不眠や首のこりの緩和におすすめです。
◆安眠(あんみん)
耳たぶの裏のくぼみと完骨のほぼ中央から約 3 ㎝下にあるツボです。自律神経を休息モードにして、文字通り安眠に導いてくれます。
つぎにご紹介するのは、ベッドの上で簡単にできる簡単マッサージと呼吸法です。今晩から試してみてはいかがでしょうか!
◆鎖骨下筋(さこつかきん)の指先タップほぐし
鎖骨の下にある筋肉は、指先でトントンとタップする(軽くたたく)だけで緩めることができます。鎖骨下筋がほぐれると、自律神経を司る迷走神経が整うため、首の緊張を取り除き、胸郭を大きく開くことができるようになります。そうすることで、快眠に必要な深い呼吸が可能になり、快眠につながります。
※ タップほぐしはベッドに座った状態でも、横たわった状態でも問題ありません。
◆よく眠るための呼吸法
よく眠る為には、深い呼吸で副交感神経を優位にする必要があります。そのために有効なのが『腹式呼吸』です。腹式呼吸をするときは、最初に体内にあるすべての息を吐き切ることからスタートし、呼気が吸気の2倍の長さになるように意識してみましょう。
日本では、一般成人のうち約21%が不眠に悩んでいるそうです。こうした背景には、人口の高齢化、ライフスタイルの多様化、24時間社会における生活リズムの乱れ、ストレスなどがあるのかもしれません。
今回の記事をご覧になって、体内リズムの乱れや睡眠障害を抱える原因に心当たりがある方は、まずは生活習慣を見直し、できるところから改善してみてはいかがでしょうか。
また、ツボ・マッサージ・呼吸法を生活の中に取り入れてみるなど、少しの工夫が快眠への近道になるということを学びました。みなさんも毎日の快眠の為に、まずは一つでもいいので挑戦してみましょう!
大牟田の医療・介護施設情報を掲載しています。どなたでも好きな写真を投稿できるギャラリーを製作いたしましたのでご紹介いたします。次号は「薬の副作用について-Ⅱ」をご紹介します。